所有している不動産の売却を検討している方にとって、ご自分の物件の資産価値が気になるのではないでしょうか。
残念ながら、資産価値は物件の築年数が長くなれば下がってしまいますが、リノベーションをすることで価値を上げることが可能です。
この記事では、資産価値について解説するとともに、リノベーションで資産価値を上げる方法をご紹介します。
資産価値を決める要素2つ
戸建て住宅やマンションなどの資産価値は、「土地の価値」と「建物の価値」で決まります。
一つずつ詳しく見てみましょう。
土地の価値
土地の価値とは、簡単に言うと物件の立地条件のことです。交通の便が良く、生活をするのに必要なお店や施設が揃っている場所は土地の価値といえるでしょう。
例えば、土地の価値が高いエリアには、多くの場合、以下のような施設が揃っています。
・スーパーマーケット
・医療機関
・教育機関
・金融機関
また、以下の良し悪しも土地の価値を左右します。
・交通の便
・治安
しかし、上記の条件を満たしていなくても、別荘地や近くに観光地があるといった場合は、土地の価値が高いケースが見られます。
建物の価値
建物の価値は、築年数によって決まります。一戸建てやマンションなど建物はすべて、年月を重ねるごとに少しずつ劣化するため、当然、築年数が長い物件よりも新しい物件のほうが価値が高いです。
なお、資産価値はある一定期間をすぎると価値の下落がゆるやかになります。中古住宅であれば、築25年以降が目安です。
リノベーションをすれば資産価値を上げられる
資産価値が下がってしまった物件を売却するときには、リノベーションして価値を上げられます。
資産価値は土地の価値と建物の価値によって決定されるものの、リノベーションをすることによって建物の内装や設備を整えることで、付加価値をつけられるためです。
例えば、同じ条件の単なる中古物件とリフォーム済み、または、リノベーション済み物件を比較したとき、以下のようなリノベーション済み物件のほうが住みたいと思うのではないでしょうか。
・住みやすい間取り
・生活を便利にする設備が備わっている
・経年劣化を感じさせない
築25年以上の物件であっても、リノベーションをすることで資産価値が高まることは十分にあり得ます。
立地の良いリノベーション済み物件はニーズが高く、特にノスタルジックな雰囲気を残しつつ、快適に住めるようリノベーションをした古民家などは人気物件です。
資産価値が上がるリノベーションのポイント
資産価値を上げるには、どのようにリノベーションをすればよいのでしょうか。ここでは、おさえたいポイントを紹介します。
ターゲットを見据えた間取り
物件の立地や環境にマッチした間取りにリノベーションすることで、資産価値が高まります。将来的にその物件に住むであろう人をイメージして、ターゲットとなる人物のニーズを満たすような間取りにすると良いでしょう。
例えば、周囲に幼稚園や小中学校があり、スーパーマーケットなどが充実している場合は、ファミリー層が物件を購入したいと考える可能性が高いです。しかし、現在の状態が「リビングが非常に広々とした1LDK」だと、ファミリー層にとってはあまり価値を見いだせないかもしれません。
そこで、2LDKや3LDKにすることで、資産価値を上げられるでしょう。
また、
・カウンターキッチン
・バス・トイレ別
・モニター付きインターフォン
などが備わっていることも物件探しの条件に挙げる人が多く、価値が上がる要素です。
日当たり
物件選びのときには、日当たりの良し悪しが気になるという方は少なくありません。日当たりの良いお部屋は明るいだけでなく、太陽光で部屋が暖められたり、洗濯物が早く乾いたりなど多くのメリットがあります。
とはいっても、日当たりは物件の立地条件に左右されますから、リノベーションで日当たりを良くすることは難しいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
しかし、窓の大きさや間取りを工夫するなどすれば、太陽の陽射しが入りやすい住宅にできます。
また、壁や床を白く塗装するなどして部屋の雰囲気を明るく見せることも一つの手です。
物件の日当たりが良くない場合でも、リノベーション業者に相談してみてはいかがでしょうか。豊富な知識や経験を持っていますので、日当たりを向上させる思わぬ方法が見つかるかもしれません。
省エネ設備を整える
近年は、地球温暖化など環境に関する話題がニュースに上がるようになり、環境問題に関心を持つ人が増加傾向にあります。住宅の省エネ性にはニーズがあると言えるでしょう。
また、省エネ設備の整った物件は節電などが期待できますし、地球環境などに配慮した「環境配慮型住宅」として認められれば、補助金や税控除を受けられる可能性があります。
戸建て住宅の場合は、太陽光発電システムを取り入れてオール電化にしたり、断熱性のある壁にして空調効果を上げたりなどが挙げられます。
耐震性能を高める
地震発生率の低いエリアはあるものの、日本に住んでいる以上、耐震性は気になるものです。
よって、耐震性能の高い物件も資産価値が高まります。
特に1981年以前に建てられた物件は、耐震性能を高めるリノベーションをするのがおすすめです。なぜなら、1950年から1981年5月まで適用されていた「旧耐震基準」は、現在の「新耐震基準」の基準を大きく下回り、強い揺れでは倒壊や破損の恐れがあるためです。
最新の設備を導入する
ちょっとした最新設備を導入することでも付加価値が高まります。
例えば以下のような設備なら、大がかりなリノベーションの予算を捻出できないという方でも、導入しやすいのではないでしょうか。
・玄関の鍵を電子キーにする
・宅配ボックスの設置
・電気自動車用コンセントの設置
・ディスポーザー（生ごみ粉砕機）
AIやIoTを活用したスマートホームを導入するのもおすすめです。
以下のようなさまざまなシステムがありますので、ニーズに合わせて導入を検討すると良いでしょう。
・消費電力を可視化し管理する
・太陽光発電で生み出された電力を蓄電池や車に充電する
・離れて暮らす家族の様子を見守れる
・音声で家電を操作する
まとめ
保有している不動産の立地が良くなく、築年数が経過していてもリノベーションによって資産価値を上げておけば、良い条件で売却できる可能性が高まります。
また、今すぐに売却する予定はなくても、生活しやすくリノベーションをしておけば、安心して長く暮らせます。
リノベーションを手掛けている業者に相談してみてはいかがでしょうか。プロならではの発想で、適切なリノベーションを提案してもらえるでしょう。
