近年、リノベーションの魅力に注目が集まり、家を建て直すのではなく中古物件に手を加えて住む人が増えてきています。では、なぜリノベーションが注目されているのでしょうか。
リノベーションが注目されている理由を探ると、リノベーションには多くの魅力があることがわかりました。今回はリノベーションの魅力を紹介するとともに、注目されている理由も紹介します。
そもそもリノベーションとは？
リノベーションとは、中古住宅に手を加えて新しい価値や機能を付け加えることを指します。例えば、以下のように建物に何らかの改修を施して、暮らしに合わせてより住みやすくします。
例）
・仕切りの壁を取り払ってリビングダイニングにする
・壁を補修して耐久性・耐震性を高める
・キッチンの設備を最新のものに変えて機能性を高める
上記のように、手を加えることで新たな価値や機能加えることがリノベーションです。
リノベーションとリフォームの違い
「リフォームとリノベーションはどう違うのだろう？」と疑問をお持ちの方は多いかもしれません。では、リノベーションとリフォームとは、どう異なるのでしょうか。
前述したリノベーションは、既存の家やマンションを改修することで付加価値をもたらすことです。一方、リフォームは老朽化した建物に手を加えて新築に近い状態にすることを意味します。
例えば、以下のような工事はリフォームに分類されます。
・ユニットバスの入れ替え
・壁紙の張り替え
・外壁の塗り替え
リノベーションは間取りの変更や配管の工事などが伴う改修となり、大がかりな工事になりますが、リフォームは比較的規模が小さな工事で済むことがほとんどです。
リノベーションの魅力4つ
リノベーションの人気が高まっているのは、次のような魅力があるためです。どのような魅力なのか、一つひとつ見ていきましょう。
1.コストを抑えて理想の住まいを手に入れられる
既存の建物を取り壊して建て直すよりも、リノベーションをした方がコストがかかりません。家を新しく立て直す場合は、最低でも1,000万円以上の予算が必要ですが、リノベーションなら数百万円から改修できます。
中古住宅を探すときに理想の間取りや外観に近いものを選び、自分の好みにあったリノベーションをするのも手です。新築を購入したり新しく家をデザインして建てたりするよりも、圧倒的にコストを抑えられるでしょう。
2.建物の個性・特性を活かせる
古民家など趣きがあって魅力的ではあるものの、老朽化が進み住むには適さない建物もあります。こういった建物の個性をそのまま残し、耐久性を高めたり近代的な要素を加えたりしてリノベーションすることで、より魅力的な建物になるでしょう。
例えば、古い和風建築に使われている梁や柱は存在感があるだけでなく、頑丈で経年によって強度が増す木材が使われていることがほとんどです。よって、梁や柱を残しつつも、壁を補強する、水回りを一新するなどしてリノベーションをすれば、古民家ならではの趣きのある個性が感じられるうえ、現代的な機能を供えた住まいとなるでしょう。
3.自分のライフスタイルに合った設計ができる
既存の住宅やマンションをリノベーションすることで、自分のライフスタイルにあった住まいが手に入ります。
例）
・在宅勤務のため自分のワークスペースが欲しいので、広めのお部屋を壁で仕切り、小さな書斎を設ける
・料理中に子どもたちの様子を見たいので、キッチンとリビングの壁と取り壊し、リビングを見渡せるカウンターキッチンに改修する
・ペットの猫が自由に遊び周れる空間にしたいので、壁にキャットウォークを作る
上記のように、自分自身がより生活しやすいよう設計ができる点は、リノベーションならではの魅力といえるでしょう。
4.資産価値を高められる
リノベーションがなされた家やマンションは、資産価値が高まり売却時に有利になる可能性が高まります。住みやすい間取り、最新の設備が備わっている、省エネ設計がなされているなどリノベーション済みの物件は、単なる中古物件よりも資産価値が高いとみなされるでしょう。
資産価値は物件の立地と築年数によって決まり、築年数が高ければ高いほど価値が下がってしまいます。しかしリノベーションをして建物に付加価値を付けることで、築年数が高くても資産価値が高められます。
リノベーションが注目されている背景
では、なぜ近年になってリノベーションの人気が高まっているのでしょうか。その理由は、家族構成が多様化したことと、環境保護への意識が高まっていることが挙げられます。
次から具体的に見てみましょう。
1.家族構成の多様化
リノベーションが注目されている理由のひとつに、近年、家族構成が多様化していることが挙げられます。
かつては「サラリーマンの夫と専業主婦の妻、そして子どもが1〜3人」という家族構成が一般的とする風潮がありました。そういった家族構成を対象とした家やマンションは、似たような間取りがほとんどです。
しかし近年は、独身、子どもを持たないカップルが増え、家族構成にも多様性が見られます。また、女性が働きに出ることは珍しくありませんし、ここ数年ではリモートワークが普及して在宅勤務の人も増えています。そのような家族構成の方は、かつての家族像を想定して作られた住まいが使いにくいと感じるかもしれません。
そこで、リノベーションをすることで、自分たちの家族構成・ライフスタイルに適した住まいにできることから、注目が集まりました。
2.環境保護への意識の高まり
地球温暖化や気候変動の影響により、環境保護への意識が高い人が増えてきています。リノベーションは、環境保護に有効であるため、注目を集めました。
新たに家を建てるときには、廃材を処理しなければならないばかりか、新たな資材が必要となります。廃材の処理をするときには二酸化炭素が排出されますし、新しい資材を用意するために森林が伐採されるため、地球環境に優しいとは言い難いでしょう。
しかしリノベーションなら新しく使う資材が少なくて済みますし、既存の骨組みなどを活用するため廃材の排出を抑えられます。そのため、環境保護という観点から新築や建て直しではなく、リノベーションを選択する人が増えています。
まとめ
こうしてみるとリノベーションは社会の変化によって魅力が見出されたともいえるのではないでしょうか。リノベーションをすれば自分のライフスタイルや家族構成に適した住まいが手に入りますし、環境への負担も新築や建て替えよりも少なくて済みます。
リノベーションには多くの魅力がありますから、家の買い直しや建て替えを検討している方は、リノベーションも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
